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ベトナムにおける「家族」とは?

Kenji Hachiya
八谷 賢次
グローバルマネジメント研究所ベトナム
代表

ベトナムにおける「家族」とは?

ベトナム人は情に厚く、家族を大切にするとよく言われますが、それは間違いではなく、ベトナム人は信頼に重きをおき家族に絶対の絆を感じています。外国人(特に日本人)には友好的なベトナム人と家族同然となることは比較的難しくはなく、「ベトナムに来たからはベトナム人と家族同然の仲になりたい」と挑戦する日本人もいるようです。
しかしながら、ベトナムの家族関係に足を踏み入れて、痛い目を見た(というより期待が裏切られた)という話もまま耳にします。


ベトナムにおいて、「家族」の絆は何よりも優先されます

–ベトナムにおける「家族」は「相互扶助組織」

ベトナム人同士の人間関係は、日本に較べて一層厳しく、いつ誰から足を引っ張られるかわからないという緊張感があります。
道を尋ねたりする際には皆快く応えてくれ、大学生など若い人たちは比較的心を開いて素直に接してくれますが、ひとたび利害が絡むと特に役人や警察官などに理不尽な態度をされることがままあります。
弊社が事業ライセンスの更新に役所を訪ねた際には、運悪く新任の担当者にあたってしまい、「おまえの会社は違法に設立されている!更新などできない」とむ げに扱われたり、社会保険事務所や税務署も担当が変わると、今まで言われたこともない資料の提出を追加で要求されたり、弊社の駐輪場がいつもより早く閉 まったのでクレームをつけると、「俺が帰る時間が終了時間だ!」と管理者に言われたりする次第です。
そんなギスギスした世の中ですから、信頼できる家族や知人との絆が大切となります。病院に家族がいれば煩雑な手続きを経ずに受診することができますし、親 類が警察にいれば多少の交通違反はもみ消してもらえます。ベトナムにおける家族は困難な社会を生き延びていくための共同体のような感じがします。
一方で、家族の信頼の絆を保つために、各家族の一員は家族への忠誠と使命を担っています。概ね6親等くらいまで広がる家族の一員が遠方から訪ねてくれば、 何をおいても歓待し、仕事を休んで買い物につきあったり、親類回りにつきあったりするのは当たり前のことです。親類から進められた就職先は断ることができ ませんし、家族と離れて暮らすことを避けるのも、この絆の外に出ることへの恐怖心からくるものと思われます。


–ベトナムの「家族」に足を踏み入れる前に

ベトナムに来た日本人がベトナム人と仲良くなりたいと思うのは自然なことですし、一般に日本人に好感を持っているベ トナム人は喜んで日本人を受け入れてくれます。しかしながら、ベトナムにおける家族の意味を十分に理解せずに家族同然になろうとすると、思わぬしっぺ返し に会うこともあります。
ベトナムで家族同然となるということは相互扶助組織の一員となることです。突然深夜に見も知らぬベトナム人が家族だと言って訪ねてきても快く泊めてあげな くてはいけません。今から不在にするので赤ちゃんの面倒を見てくれとお願いされたら最大限に優先しなくてはいけません。
仲良くなったら突然お金を無心されて、お金が目当てだったのかと裏切られた気持ちになった。との話を耳にしたことがあります。こうしたケースも、必ずしもベトナム人に悪気があったといえません。家族の一員として当たり前のお願いをしたにすぎない可能性もあります。


–板ばさみにあっている従業員を思いやる

2人っ子政策により家族の規模も比較的小さくなり、大学からハノイやホーチミンなどの都会で一人暮らしを始めたり と、少しずつ従来の相互補助組織としての家族の位置づけは薄らいできているように感じます。また、人々の社会性も高まり、以前ほど人間関係がぎくしゃくす る場面も少しずつですが、減ってきています。
そんな中、日系企業など外資系企業での就業スタイルを理解している管理者も地方出身者であるケースが増えています。こうした管理職につくベトナム人材は都会での暮らしや外資系企業での就業スタイルと田舎の家族の絆との板ばさみになることもしばしばです。
突然予告もなく上京してきた親類の世話をするために、急に休みをとらなければならなくなったり、前日に親類の結婚式を知らされて、急遽帰郷しなければならなくなったり、はては家族の一員が長期入院となったため、会社を辞めて介護に当たらなければならなくなったり。
なかなか、家族内の事情を人に話さないベトナム人なので、同情もできず「なぜ突然休むんだ!」と怒ってしまうこともしばしばですが、よくよく聞くと家族事情の板ばさみとなっているケースも多く、頭ごなしに起こる前に一呼吸置く余地があります。

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ベトナム人は転職好き?

Kenji Hachiya
八谷 賢次
グローバルマネジメント研究所ベトナム
代表

ベトナム人は転職好き?
ベトナム人は高給を求めてすぐに転職するんですよね?よくある問い合わせです。ベトナムの製造業における一般的な離職率は3%~5%/月、8%~10%/月になると危険水域といわれます。年に単純換算すれば、4割~6割の従業員が辞めていくわけですから、確かに高い数値です。特に現場作業者は採用してすぐに仕事に向かずに辞めていく人も多いため、単純に離職率としてみることはできませんが、現に、「採用しても採用しても辞めて行き、一向に人が増えない」と嘆く経営者もいます。
現在の現場作業員の月給は3百万ドン前後(約1万2千円)、ベトナムの経済水準(2011年の名目一人当たりGDPが約11万円)からすれば、まあ妥当な額とは言えますが、地価の高騰による家賃負担や一般物価はそこまで安くないことを考慮すると、日本の現場作業員に比べれば苦しい台所事情であることは否めません。従って、20万ドン程度(800円)でも高給を提示する企業があれば、魚の群れのように移動を繰り返すベトナム人も多いです。

ベトナム人材の転職事情に備えて。。。

管理者層は給与のみならず、居心地を気にします

村社会のベトナムでは、新参者への対応は冷たいものです。なりふり構えない作業者層は別と しても、特に管理層は居心地がよければ多少の給与差には影響されません。従って、管理層は転職にあたっても知人・友人をたどって、できるだけ転職時に既存 従業員との軋轢を避ける方法を取ります。気軽に上司や同僚と話せる職場や、上級管理者の縄張り争いのない会社、自分の貢献が認められる会社には愛着もわき ますし、定着率も高くなります。日本人管理者は一層気を配って、社内の風通しを良くし、家族的な雰囲気を社内でもり立てていくのが効果的です。朝は正門に 立って、出社する従業員と挨拶を交わす経営者、従業員の冠婚葬祭には必ず顔を出す日本人管理者、そうした日本人のいる会社の離職率は得てして低くなります。

新しい人、優秀な人から辞めだしたら要注意

ベトナム社会では役職は”買う”ものです。従って、投資を回収するために副収入を得よう とします。自身の立場を危うくしないためと仲間を得るために縄張りを張ります。新入社員を迎えるということはともすれば、その縄張りに知らない人が入って 来ることも意味し、仲間としての契りを交わすための踏み絵を踏まされることもあります。単に経験不足の管理者が能率の劣る新入社員を辞めさせていたという ケースもありますが、新人から辞めていく状況が見られたら要注意です。社内に縄張りが張られている可能性があります。多くのケースでは、縄張りの親分は日 本人からの評価が高い日本語ができる気の効く人材だったり、通訳社員だったりします。この子を片腕に。。。とはやる気持ちはわかりますが、慎重に人材を見 極め、できるだけ公平に管理層には接し、権限や機会を与えるようにしましょう。採用時に金銭の受け渡しの可能性もあります。現場作業者も含め、できるだけ 採用面接には目を光らせるようにしましょう。

機会は平等に、結果は冷徹に

ベトナムで人材育成に携わっていると、伸びる子と伸びないこの差が激しいことに気がつきま す。発展途上ゆえ、無垢な子が多いのですが、知識の吸収力や実践適用への意欲には随分な差があります。人と差がつくことをいやがるベトナム人も多いです が、日本的な結果の平等的な評価をしていると、能力のある子は機会を求めて去っていきます。可能性のある子には場と機会を積極的に与えて、給与や昇進も含 めて差をつけていく必要があります。ただし、評価は可能な限り客観的にしましょう。「あの子は気が利く」といった日本人受けのする子は必ずしも伸びる子で はありません。会社からの期待を明文化、数値化して言い逃れのできない客観的な事実をもとに評価を行いましょう。(ベトナム人の言い訳と言い逃れには日本 人はかないません)

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