
グローバルマネジメント研究所
代表取締役社長
企業の中堅管理者の方々を対象に、選抜管理者研修や次世代経営者研修の講師をしてきて、いろいろと思うことがある。
1.皆さん、営業、生産、技術開発、管理部門などで日々それぞれの仕事をされているのだが、意外と会社の将来の方向性や、あるべき姿について議論をされたことが少ない。
2.現場の業務改善的なことは日々考え、提言されているが、会社全体の事業ポートフォリオの組み方、経営の仕組みや人材育成のあり方などは、関心は高いものの、どのようにすべきか自分の意見を明確に持っている人は少ない。
3.グローバル市場における競争優位性をどのように確保するかという視点で、会社のあるべき姿を考えられる方が少ない。
確かにこんなことは経営者が考えるべきことかもしれないが、優れた経営者になるためには、日ごろから経営者的目線で物事を考え観る訓練が必要だと思う。
また会社をよりよくするために課題を列挙し、それを解決するためにどのように変革をしていけばよいかという議論をすると、途端に議論が進まなくなる。会社をよりよくするための提言は、見方を変えると今までの経営のやり方、あるいは経営判断を批判することになり、そんなことはとても役員に対して進言できないという。
会社によっては、変革の提言を比較的気楽に言える雰囲気がある会社もあれば、まったくそうでない会社もある。意外と気楽に提言できないと部下が考えている会社であるにもかかわらず、経営トップは、うちの会社は自由闊達に議論をしていると勝手に思い込んでいたりする。いわゆる「裸の王様」状態の経営者も結構いるように思う。
こうした組織風土のギャップも、日本企業の中ではよくある話で終わってしまうが、グローバルベースで考えれば、会社をよりよくする提言に耳を貸さない経営者や、そんな雰囲気がある会社に、優れたグローバル人財が長い間定着することもなく、優れた社員から順番に辞めていく会社と思われても仕方がない。全世界のどの拠点の社員でも、会社をよりよくする提言であれば、積極的に経営幹部が耳を傾ける組織風土を作ることも大切だと思う。
私は経営トップの方に会う度に、次世代経営者候補によるアドバイザリーボードを作ることを進言している。将来の経営者候補とおぼしき選抜された課長あるいは部長クラスの方を中心に、15-20人ぐらいのグループを作り、社長と経営課題について定期的に議論をする場を作る。社長を交えた初めての会合で、どのような経営課題について議論していくか、複数のテーマを決め、1年ぐらいかけてチーム別に検討をしてもらい、年度の最後にボードメンバーにより提言をしてもらう。社長も3カ月に一度ぐらいは同席をして、メンバーと意見交換をする。社長からすれば、現場で起きていることを直接理解することができ、メンバーからすれば経営者としての課題のとらえ方や目線の引き上げができ、自分の経営判断の基軸を磨くいい機会になる。グローバルに拠点を展開している企業においては、メンバーの選出も世界の各拠点の中から将来の経営者候補になりうる人材を選ぶとよいと思う。メンバーの任期は2年とし、半分を1年ごとに入れ替えるのもいいと思う。
グローバル企業になるための組織変革は、現場を見ている中堅管理者だけでは起こせないと思う。経営トップが意図的にグローバル企業となるための組織変革を起こす仕組みを提言し、その必要性ややり方を考える選抜された中堅管理者を味方につけながら、共に実現していかなければならないテーマだと思う。
多くの日本企業の経営トップが、自社に世界の優れた人材が集まり、切磋琢磨できるような組織集団に変革していくための仕組み作りを、積極的に仕掛けていくことを望んでやまない。
1.皆さん、営業、生産、技術開発、管理部門などで日々それぞれの仕事をされているのだが、意外と会社の将来の方向性や、あるべき姿について議論をされたことが少ない。
2.現場の業務改善的なことは日々考え、提言されているが、会社全体の事業ポートフォリオの組み方、経営の仕組みや人材育成のあり方などは、関心は高いものの、どのようにすべきか自分の意見を明確に持っている人は少ない。
3.グローバル市場における競争優位性をどのように確保するかという視点で、会社のあるべき姿を考えられる方が少ない。
確かにこんなことは経営者が考えるべきことかもしれないが、優れた経営者になるためには、日ごろから経営者的目線で物事を考え観る訓練が必要だと思う。
また会社をよりよくするために課題を列挙し、それを解決するためにどのように変革をしていけばよいかという議論をすると、途端に議論が進まなくなる。会社をよりよくするための提言は、見方を変えると今までの経営のやり方、あるいは経営判断を批判することになり、そんなことはとても役員に対して進言できないという。
会社によっては、変革の提言を比較的気楽に言える雰囲気がある会社もあれば、まったくそうでない会社もある。意外と気楽に提言できないと部下が考えている会社であるにもかかわらず、経営トップは、うちの会社は自由闊達に議論をしていると勝手に思い込んでいたりする。いわゆる「裸の王様」状態の経営者も結構いるように思う。
こうした組織風土のギャップも、日本企業の中ではよくある話で終わってしまうが、グローバルベースで考えれば、会社をよりよくする提言に耳を貸さない経営者や、そんな雰囲気がある会社に、優れたグローバル人財が長い間定着することもなく、優れた社員から順番に辞めていく会社と思われても仕方がない。全世界のどの拠点の社員でも、会社をよりよくする提言であれば、積極的に経営幹部が耳を傾ける組織風土を作ることも大切だと思う。
私は経営トップの方に会う度に、次世代経営者候補によるアドバイザリーボードを作ることを進言している。将来の経営者候補とおぼしき選抜された課長あるいは部長クラスの方を中心に、15-20人ぐらいのグループを作り、社長と経営課題について定期的に議論をする場を作る。社長を交えた初めての会合で、どのような経営課題について議論していくか、複数のテーマを決め、1年ぐらいかけてチーム別に検討をしてもらい、年度の最後にボードメンバーにより提言をしてもらう。社長も3カ月に一度ぐらいは同席をして、メンバーと意見交換をする。社長からすれば、現場で起きていることを直接理解することができ、メンバーからすれば経営者としての課題のとらえ方や目線の引き上げができ、自分の経営判断の基軸を磨くいい機会になる。グローバルに拠点を展開している企業においては、メンバーの選出も世界の各拠点の中から将来の経営者候補になりうる人材を選ぶとよいと思う。メンバーの任期は2年とし、半分を1年ごとに入れ替えるのもいいと思う。
グローバル企業になるための組織変革は、現場を見ている中堅管理者だけでは起こせないと思う。経営トップが意図的にグローバル企業となるための組織変革を起こす仕組みを提言し、その必要性ややり方を考える選抜された中堅管理者を味方につけながら、共に実現していかなければならないテーマだと思う。
多くの日本企業の経営トップが、自社に世界の優れた人材が集まり、切磋琢磨できるような組織集団に変革していくための仕組み作りを、積極的に仕掛けていくことを望んでやまない。