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南北ベトナム人材の違い

Kenji Hachiya
八谷 賢次
グローバルマネジメント研究所ベトナム
代表

南北ベトナム人材の違い

「ベトナムは南と北で全然違うんでしょ」というのもよくある質問の一つです。ちなみに、日本人は「ホーチミンとハノイは」 といいますが、一般にベトナム人は「南部と北部は」と言います。確かに、日本と同様に南北に細長いベトナムは南と北で大きく異なり、南部は1年中夏日の熱 帯気候ですが、北部には四季があり、冬は10℃前後まで冷え込み、冬でも湿度が高いこともあってコートなしでは過ごせない時期もあります。

歴史も踏まえて南北の違いを見すえましょう

–南北ベトナムの違い

- 南北に細長いベトナムですから、日本と同様もちろん南部と北部では違いがあります。大まかに他国のイメージで捉えると南部のホーチミンは商業の中心地、日 本で言えば大阪、中国で言えば上海という感じでしょうか。一方で北部のハノイは政府のお膝元、日本で言えば東京、中国で言えば北京という感じです。
- 地理的な違いは当然言葉や文化にも影響します。同じベトナム語ですが、北部と南部では単語や発音が異なります。ちなみに、北部人は北部ベトナム語が標準語 だと言いますが、南部ベトナム人は北部ベトナム語はダサい、といったりします。例えば、ベトナムといえば「フォー(Pho)」ですが、これは北部の名物 で、南部では「フーチュウ (Hu Tieu)」と言います。焼き飯は北部では「コムザン(Com Ran)」ですが、南部では「コムチェン(Com Chien)」、ベトナム春巻きは北部では「ネムクオン(Nem Cuon)」ですが、南部では「ゴイクオン(Goi Cuon)」と異なります。まだ飛行機に乗ることが一般的ではなく、ホーチミンに行ったことがないハノイ人やハノイに行ったことがないホーチミン人もたく さんおり、一般の店では単語や発音を使い分けないと、まったく意味が通じないこともままあります。
- 文化的には、南部は比較的おおらかで人懐っこく、北部は頑固で人当たりが冷たいと言われます。この違いのせいか、北部人は自由な雰囲気を味わいに南部に行 くのを楽しみにする傾向がありますが、南部人はあまり北部に行きたがりません(東京と大阪みたいですね)。また、北部と南部の違いを表す冗談も良くありま す。例えば、
2人の女性が子供が欲しくて結婚したところ
北部の夫を持った妻は、「夫が、子供を作ろう作ろうと言うばかりで、一向に行為に及ばない」と嘆き、
南部の夫を持った妻は、「夫が、外に遊びに行ってばかりで、一向に行為に及ばない」と嘆く
(北部人の特質を現す言葉で、「Noi nhieu khong lam:偉そうなことばかり言うが、一向に行動が伴わない」ともよく言われます)

-こうした南部北部の違いはベトナム人従業員の気質の違いにも現れます。もちろん個人差はありますが、北部人は頑固で信頼関係が築けるまでは、なかなか心 を開かないが、一旦信頼関係が築かれると急の休日出勤もいとわず無理なお願いを嫌な顔もせずに引き受けてくれる。南部人はすぐになついて、あれこれ文句も 言わずに仕事をしてくれるが、ちょっとしたプレッシャーで逃げてしまう。移り気で誘惑に弱い。南部人材、北部人材とも一長一短があります。


–ベトナム人はベトナム人、課題は南北一緒

こうした南北の違いから、よく「南部北部では、管理の仕方を変えなければいけなのではないか」という質問をよくいただきます。もちろん、気質が異なることを理解した上での接し方は必要なのですが、各社からいただく人材の課題は北部、南部とも驚くほど似通っています。
役割責任認識が弱い、ホウレンソウができない、部下に遠慮して指導ができない、計画性がない、思いつきの問題対策などなど。結局、ベトナム人はベトナム 人、本質的な課題は変わらないと言うことかと思います。こと人材の育成、マネジメントという点では、特に南北を違えて考える必要はないように感じます。
また、南北の交流が活発になるにつれ、南北人材の気質の違いも薄れてきているように感じます。北部もようやくホスピタリティやサービスという考えが根付き 始め、初対面のベトナム人から笑顔を見る機会も増えてきました。一方で、いつも笑顔の印象だったサイゴン人からは笑顔が薄れてきているような気がします。


–特に南部では歴史やベトナム人社会に対する理解が必要

こと、ベトナム人材の育成については、ベトナム南北の気質の違いはあれど、基本的な課題や対処方法は同じです。しかしながら、特に南部については、ベトナムの歴史を踏まえて、留意いただきたい点があります。
それは、ベトナムの統一はある種、ベトナム北部が南部を吸収したと言う歴史です。今でも政界・財界の要人は北部出身者が多く、南部出身者であっても要職に 着く人材は南北分裂時代に北部側にいた人となります(当時の南部政府関係者のほとんどは海外に移住していますので)。
活気のあるホーチミンは商業の町ですが、一方で金持ちは北部に多いというところが、こうした背景を物語っています。とはいえ、北部にあからさまに反感を持つ人は極少数ですので、日常的に軋轢が生じているわけではありません。
しかしながら、北部出身が多いベトナム人経営者は、北部出身者を管理職に当て、現場作業員として南部人材を活用すると言うケースも多くあります。日本人以 上に出身地に愛着をもつベトナム人材ですが、特に南部は、北部・南部・中部と各地出身者が入り混じっていますので、一言でベトナム人とくくってしまうので はなく、各人の出身地(若い世代であれば、両親の出身地)にも気を配る必要があります。(慣れてくると、顔つきで北部出身かどうかは見分けられます)

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