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認めざるを得ない仲間っぽい上司

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江口 征男
智摩莱商務諮詢(上海) 有限公司 (GML上海)
総経理

「認めざるを得ない仲間っぽい上司」

中国の小売業で大切な部下をつくり、その関係を維持するために一番大切なことはなんだろう。

それは「ネズミの糞が粉化して舞う薄暗い湿った店内で、マスクもせずに素手で行う売場の陳列手直しを1か月休みなく続けること」である。日本人の私がこれをやると、ヘンな咳が出るようになるが、隣でもくもくと働く店舗スタッフは平気のへいざである。1日12時間労働は当たり前で、1週間に3日徹夜したことがある。43歳には少し過酷である。その後2週間ずっと時差ボケ状態が続くが、これも3現主義だと苦笑いする。

少々のことではへこたれなくなり、逆に日本語が下手になる。そんなことを繰り返すうちに中国人部下から仲間だと認められるようになる。まず1か月。「こいつは変わった日本人だ。でも仲良くしてくれる。みかんとかバナナをくれる。ナッツ系のものもくれる。食事をいっしょにする」というのが中国人部下から見た私の印象だろう。

でも実は皆が知っている、私が日本人であり、総経理の特別アシスタントであり、給料が自分の18倍であることを。中国の企業では、みんながみんなの給料を知っている。それがまたすごく正確なのだ。それを知ったうえでも『個人としてこいつを上司として認めてもよいか』を判断していく。認められさえすれば、なんかたいへんそうだから手伝おうか?と
声をかけてくれる人、黙って隣で作業のサポートをはじめてくれる人もでてくる。次に何をやればいい?これってどうやるの?となれば、しめたものである。

風さえ吹けばその後は一気に進む。「それにしてもなんでこんなにネズミがいるんだ、掃除、掃除、掃除、掃除、掃除だ」と4年の垢をすっきりと洗い流すのだ。今まで他人から価値のある作業のやり方、効果のある作業のしかたを教わったことのないスタッフは瞳が輝きだす。もっとこの人(私)といっしょに仕事したい、新しいことを知るのが楽しい、もっと知りたい、できるようになりたい、と思いはじめる。私に対する見方がナッツから上司へ変わる瞬間だ。

この1歩をいっしょに踏めるかどうかで勝負が決まる。

これこそが中国の現場主義だ。月収1600元の部下が、『飯をおごるからいろいろ話を聞かせてよ』と私に声をかけてくるようになる。ここからしか世界は始まらない。1600元の部下をやる気にさせ即戦力化させることができればそれが価格競争力にはねかえる(弊社は創業4年で270店舗)。

日系企業は中国企業に絶対負けたらだめだ。矛盾しているかもしれないけれど、心からそう思う。

ガンバロウニッポンである。


※当コラムは、弊社が毎週火曜日に発行する有料メルマガ「心理学とロジックで勝つ中国ビジネス」(50元/月(800円/月))の過去コラムの一つです。
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