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さみ(も)しい、ベトナム人公務員の懐事情

Kenji Hachiya
八谷 賢次
グローバルマネジメント研究所ベトナム
代表

さみ(も)しい、ベトナム人公務員の懐事情

このコラムは2013年12月14日にGMLベトナムHPに掲載されたものです。


ここベトナムはハノイもすっかり寒くなり、クリスマスの飾りつけとともに年の瀬が感じられる季節となりました。

さておき、ベトナムに来て初めて交通警察に捕まりました。赤信号では右折禁止の交差点を右折したためです。あまりに普通にベトナム人は右折しているので、てっきり問題ないのかと思っていましたが、表示のない交差点では原則右折はできないとのこと。
実は以前もつかまったことはあるのですが、外個人ということで見逃されていました。今回は規律に従う日本人としてのプライドと警察官の笑顔とベトナムでの交通違反手続きへの興味もあって、素直にベトナム語で応じて違反切符にサインしました。
その後、会社でベトナム人スタッフにその後の手続きを聞くと、皆もとより賄賂で済ませるため、正式な手続きは知らないそうです。なんとまあ。
ともあれ、指示通り警察に行くと外国人でもあるためか、存外手続きはスムーズに終わり、60万ドンの罰金と30日の免停。結構厳しいですね。

そういえば、最近は街角に多くの警察官を見かけます。日本でも、年末と言えば飲酒運転も多く、交通安全強化月間などで取締りが厳しくなることもよくありますが、ベトナムでは少々事情が異なるようです。


安定か、低収入か、公務員が抱える課題

–緊縮財政下のベトナム

2009年の金融危機からまだ立ち直れず、2013年はベトナムはまだ不況の最中です。
これまでも財政収入の多くは外債の発行などで補ってきたベトナムですが、GDPの50%に対外債務が膨れるにつれ、緊縮財政へ転換をしています。
そこに来て、折からの不況で2013年9月時点で歳入の59.4%しか見込めていない状況。
加えて、国民に優しいベトナムでは2013年7月1日から個人所得の最低課税額を900万ドン(約4.5万円)、扶養控除が一人当たり360万ドン(1.8万円)に引き上げました。一人当たり国民所得が1,500USD程度のベトナムでは個人所得税を払う人が高給取りや外国人を除いて、いなくなったような状況です。


–先進国とは異なる歳入構造

もとより、ベトナムのような途上国では日本のような先進国と歳入構造が異なり、通関(22%)、国営企業収入(18%)、石油輸出(15.6%)で50%以上の歳入を賄っています。。
(日本は社会保障関連(36.8%)、個人所得税(18.3%)、法人所得税(15.5%)など)
貿易赤字の解消から、各国とのFTAやTPPにも興味を示すベトナムですが、反面、関税収入は将来的に期待できなくなっていきます。また不況とずさんな経営から国営企業収入も先細りとなており、ベトナムの財政はますます厳しい状況下にあります。


–師走では、公務員が走る、ここベトナム

そんな中、すったもんだのあげく、公務員の最低賃金が2ヶ月遅れの7月1日から115万ドン/月(約5.5千円)へ約9%の賃上げがされました。一方で、最近交付された民間の最低賃金は2014年の1月1日から270万ドン/月(約1.4万円ん)と2倍以上の開きが出てしまっています。
公務員の30%は不要との議論も出る中、50代の看護婦でも380万ドン/月(約1.9万円)、医者でも500万ドン/月(約2.5万円)程度と言われる公務員の給与レベルでは生活が成り立つわけもなく、教員は生徒を放課後に自宅に呼んで補習という名の強制講座を行い副収入を稼ぎ、病院は診察の優先順位が賄賂で決まるなど、給与外で稼がざるを得ないのが実態です。特に最近では税務署も財政を潤すためか、自身の寂しい懐を暖めるためか、日系企業などの外資系企業を狙い撃ちにして、税務調査をしかけているようです。
こうしてみると、警察官が目の色を変えて取締りを行っているのにも、少し同情的な気持ちも沸いて来ます。
日本では師走といいますが、ここベトナムでは年末に向けて公務員が走り回っているようです。

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